
やまぶき荘の新職員、金野遥斗さん、菅原徠未さん、サルマ アンジラさん、タパ サラスオティさん
25年4月、やまぶき荘に新職員が配属されました。配属から4か月ほど経ち、研修を終え、現場で介護の仕事をスタートしています。
地元・大東町出身2名、ネパール出身2名、国籍をまたいだ同僚となった4名の新職員についてインタビューを行いました。
異なる背景を持つ4名が、それぞれの介護の道を選んだ理由から、職場での経験、そして未来への展望に至るまで、その胸の内を語っていただきました。
タパ サラスオティ
Thapa Saraswoti

出身:ネパール/バクタプル
卒業:バス高等学校
趣味:ネパール料理
サルマ アンジラ
Sharma Anjila

出身:ネパール/ベニ・ミャグディ
卒業:プラカシュ マ・ビ
趣味:ダンス
金野 遥斗
こんの はると

出身:一関市大東町中川
職歴:大東高校
趣味:ピアノ
菅原 徠未
すがわら くるみ

出身:一関市大東町大原
卒業:千厩高校
趣味:映画鑑賞
Q1: 介護の道を選んだ理由は何でしたか?


まず、なぜ介護という仕事を選んだのかについて、インタビューを行いました。
遥斗さん「僕は昔から人と関わったり話しているのが好きで、心を通わせるような仕事がしたかった。そのような仕事って滅多にないなと思って。それに、この会社の空気感や、一人一人の仕事ぶりを見て、とてもいい会社だなって思いました。あとはやっぱり、親も介護の仕事をやっていたり、家でも介護をやっていく中ですごく身近にあったなって思って。ちょっと憧れもありました。」
幼い頃からの憧れもあった遥斗さんは、中学校の頃には既にこの道に進むことを決めており、何度か見学に訪れ、介護の道へ進むことを決めたそうです。
徠未さん「支援が必要な方たちの力になりたいなと思ったのと、以前に祖父が病気で寝たきりになった時に、そういう知識や技術を身につけられたらなって思い、介護職を選びました。」
当時中学生だったその時を振り返ると「全然どう接したり介護したらいいかわからなかったので、そういう時に何か困らないように、やっぱり身につけておきたいな」と強く感じたことが、介護職選択に繋がったと語りました。
ネパール出身のアンジラさんは、シンプルな言葉で「お年寄りの人たちのお世話をしたいので(介護を)選びました」と話しました。ネパールで祖母の介護を経験しており、介護に関する勉強も2ヶ月間行っており、この道に進むきっかけになったと言います。
同じくネパール出身のタパさんは、「子供の頃からの夢は看護師だったけど、なかなか看護の勉強はできなかった。(一方で)ネパールで介護の仕事をしたことがあるから、この仕事を選びました。」とのことで、家では祖父母の介護経験の他、2年ほど介護施設で食事支援や掃除の業務を行った経験があったと語りました。また、「高齢者のお世話をする時、平和(安心)を与えてくれる」と感じる点が、この仕事の魅力だと語っており、そのような経験とやりがいから介護の道を選んだそうです。
Q2: 数ある選択肢の中で、この施設、この地域を選んだ理由を教えてください。


次に、現在の職場にたどり着いた経緯について伺いました。
遥斗さんは、「僕はこの施設を決めるまで結構悩んでいて、最初は他の近隣の施設も考えていたのですけど、親が祖父母の介護をしているのもあり、何かあった時にすぐ駆けつけられるようにという思いから、家族のことを考えて(家から近いこの施設を選んだ)というのも理由の一つです。」と語りました。「小学校の頃から親に連れられやまぶき荘周辺で遊んでいたので、知ってる人しかいないので、その方が働きやすいのかなと思いますし、そして色々な職場を見た中で、この会社が1番心に残るものがあったので。明確な理由があるというか、もうすでに気持ちが入っている、吸い込まれているという感じでしょうか。」と、悩みながらも、なじみ深いやまぶき荘を自然と選んでいたようです。
徠未さんは、「小学校低学年の頃から、このやまぶき荘でのお祭りに参加し、よさこい踊りを毎年踊っていました。その中で、何回か施設の中に入る機会があり、それもあって(やまぶき荘に)馴染みがあり、安心できると感じていました。」と語りました。また「高校で(やまぶき荘へ)職場見学をする機会があり、職員だけでなく利用者さんたちとも話す機会があり、楽しく笑い合っている雰囲気がいいなと強く感じて、やまぶき荘に来たいなと思いました。」と語り、遥斗さんと同様に小学校の時の交流や、職員だけでなく利用者さんとのコミュニケーションを含めた全体的な雰囲気の良さが、入社を決める大きな要因になったようです。
アンジラさんは、「私は、日本人と一緒に働きたいから日本を選びました。(福岡の専門学校にいる)兄から、日本人は優しいと聞きました。」と語り、先に来日して学ぶお兄さんから、日本に対する印象の良さを直接聞いていたようです。
タパさんは、日本を「外国人と女の人のためにも安心・安全な国だから。ネパールから日本に来る人は多い。日本のルール(法律)は外国人も日本人と同じだから」という点も選択の理由に挙げました。また、大東町という地域について、元々ネパールの都市部に住んでいたタパさんは、「都会よりも田舎の方がちょっと好き」という思いもあったようで、良い印象を語りました。
Q3: 就職に至るまでのプロセスはどのようなものでしたか?
続いて、実際に就職するまでの道のりについてお聞きしました。
遥斗さんは、求人票の確認に加え、学校の先生からの勧めもあったものの、最終的な決定は「自分」で行ったそうです。中学校で介護の道を決めていたため、高校2年生の後半からは、求人票を確認するなど早期から就職活動を開始。エントリーや面接の連絡、訪問先の決定、アポイントメントの取得なども「極力自分たちで」行っていたそうです。本番の面接は1回でしたが、約半年前からほぼ毎日、先生との面接練習を重ねたと言います。
徠未さんは、まず介護職の選択を固め、学校で始まる就職活動期間に合わせて、教室に用意された求人票の中から興味を持った施設をいくつか選んだと語りました。その後、選んだ施設に書類を提出し、自分たちで職場見学を行ったそうです。この見学は、現在の職場だけでなく、他の地元周辺の施設もいくつか回ったと話しています。
アンジラさんは、ネパールで約1年間、日本語を学習し、その後介護の勉強も行ったと説明します。オンラインでの面接を経て内定を獲得し、約3ヶ月後に日本のビザを取得して来日しました。
タパさんもアンジラさんと同様のプロセスで来日しましたが、日本語は大学で学んだと言います。日本語能力試験N4レベルに合格し、ネパールで日本語と介護の勉強をしてからインタビューに合格したと述べました。大学では人文学、特に経済学を専攻していたそうです。
Q4: 今後の抱負や目標について聞かせてください。
彼らが介護士として、どのような未来を描いているのか尋ねました。
遥斗さんは、まだ入社したばかりで、「目標とか自分の未来像とかあんまりはっきりとはイメージできてなくて」と率直な思いを語りました。「これから色んな経験を積みながら、必要とされる存在なりたいし、諦めずに仕事と向き合っていけたらな」と、着実に成長していく姿勢を見せています。
徠未さんは、「今は教えられる立場なので、自分が教えられるようになるくらい、知識技術を身につけたい」と意欲を燃やします。また、仕事を「任されるようになったり、利用者さんからは安心して頼ってもらえるようになりたいです。」と語り、介護福祉士などの資格取得にも力を入れていきたいと話しました。
アンジラさんは、「できるだけ長く日本に住んで、介護の仕事をやりたい」と希望を述べました。そのために必須となる、介護福祉士の資格取得を目指して「勉強して、合格したい」と、明確な目標を掲げています。
タパさんもまた、「できるだけ日本に長く住みたいし、介護福祉士の資格を取って、仕事も最後まで自分でできるようになりたい」と、この仕事への強い責任感と想いが感じられました。
Q5: 職場の雰囲気や、同僚(日本人、ネパール人問わず)の印象はいかがですか?

日々の職場環境や人間関係についても尋ねました。
徠未さんは、見学時の経験から、職員や利用者さんとの会話を通じて「雰囲気がいいな」と強く感じたことが印象的だと話しました。
ネパール出身のアンジラさんとタパさんは、異口同音に「先輩みんな優しい」と語り、これまでに「怒られたことはない」と笑顔で話します。日本人の同僚については、自分たちの日本語がまだ完璧ではないことを心配しつつも、「分からない時は優しい日本語でちゃんと説明」してくれることに感謝していると述べました。
Q6: 日本とネパールで、文化や考え方、習慣の違いや共通点は感じられますか?

ネパールから来日した2名が感じた文化的な差異と共通点について伺いました。
アンジラさんとタパさんは、「文化は違う」「食べ物もとっても違う」と話し、特に牛肉については「ネパールでは牛肉食べない。神様ですから」と説明しました。鶏肉や魚は食べられるものの、日本人が牛肉を食べる習慣には驚いたそうです。職員は基本的にお弁当を持参しますが、定期的に「検食」と呼ばれる、利用者さんに提供される食事と同じものが食事で提供され、感想を記入する取り組みがあります。検食で牛肉が出る日には、ネパール出身の職員が食べられないため、他の職員が担当を代わることもあると、徠未さんが補足してくれました。
共通点としては、アンジラさんとタパさんは「季節」を挙げ、「ネパールと日本の季節はだいたい同じ」と話します。ただし、ネパールでは地域によって気候が異なり、雪が降る場所もあれば降らない場所もあると説明しました。
Q7: 今後、皆さんはどのように協力して働いていきたいですか?

最後に、今後のチームワークについて、それぞれの展望を語っていただきました。
徠未さんは、「仕事の話だけじゃなくてプライベートな話もできるような関係性を築きながら一緒に働いていきたい」と、より深い人間関係を築きたいという願いを述べました。タパさんもまた、「プライベートな話をしたい。もっともっと」と、同僚との交流を深めたいという意欲を見せました。
アンジラさんは、既に自分のユニットの利用者さんにネパール語を教えているそうです。「ナマステ(こんにちは)」や「元気ですか?」といった簡単な挨拶に加え、「お腹空いた」という言葉も教えたことがあると笑顔で話しました。これは、異文化理解を深め、より良いコミュニケーションを築くための素晴らしい取り組みと言えるでしょう。
遥斗さんとアンジラさんはすでに同じユニットで働いており、お互いにサポート・協力し合いながら日々の介護に取り組んでいるようです。
家族を思う気持ちから地元での介護の道を選んだ遥斗さん、徠未さん、そして日本での介護職に夢を抱き来日したアンジラさん、タパさん。若き介護士たちの挑戦は、専門的な知識や技術の習得、資格取得への意欲、そして利用者さんとの深いコミュニケーションを通じて、日本の介護現場に新たな風を吹き込んでいます。
